スペインの病院でピルからミレーナ（DIU）に変更

ここでは私の個人的体験をつづります。ミレーナ（DIU）が自分に向いているか、どのような効果や副作用があるかはご自身でしっかりお調べ下さい。

ピルは終了しミレーナ（DIU）装着

スペインに来てからほぼ20年ピルを使用してきましたが、40代になりバレンシアで通っている病院の産婦人科医の勧めもあり、ピルからミレーナ（子宮内避妊具、避妊リング）に変更しました。
スペイン語で子宮内避妊具、避妊リングは、Dispositivo Intrauterino、略して「DIU」（ディウ）と呼ばれます。

ミレーナ（DIU）装着を決意した理由

私は毎年婦人科の定期検診を受けますが、2019年は仕事が忙しくうっかり忘れ、2020年はコロナウイルス流行で病院には行けませんでした。2021年1月初めの久々の検診で、明るくて日本大好きな産婦人科医にそろそろミレーナ（DIU）をと勧められます。

ミレーナ（DIU）を勧められた理由は40歳を過ぎているから。ピルは40歳をすぎると血栓症などのリスクが高まるそうです。
更にミレーナ（DIU）はピルよりも安価で、飲み忘れもなし。装着したら5年、最長10年はそのままでOKだそうです。稀に具合が悪くなったり出血がひどい人もいると聞いたので、1月、2月は日本の仕事を受けていたため、3月以降にまた来ます！と、説明だけ聞き、ミレーナ（DIU）装着のための説明書兼同意書を渡され、帰りました。ちなみに定期健診は問題なしでした。

ミレーナ（DIU）装着までに必要な事

産婦人科医の予約が取れたの日は生理スタート予定3日前で、わずかに不正出血がありました。日本では生理中に装着のようですが、スペインでは生理中が望ましいけれどそれ以外でもOKみたいです。

すでに1月に定期健診を受けていたので、同意書を提出し奥の部屋の診察台へすぐに移動。私は子宮筋腫持ちですが、仕事のストレス減少＆仕事量を減らした事が功を奏したのか、前回の定期診断で筋腫が小さくなっているのを確認済みで、ミレーナ（DIU）装着も問題なしです。

ミレーナ（DIU）装着は痛い？装着後に出血はある？

スペインの産婦人科の診察台でびっくりするのが、靴は脱がない事。大体どこも下半身は裸になってねーと言われ、診察台に上った後にタオルで下腹部を覆います。小さなタオルなので、下腹部全部を覆うためと言うよりも、診察している所を患者から見えなくするためかも。色んな器具を見たら怖くなる人もいそうだから。

ミレーナ（DIU）をパッケージから出して、これを入れていくよ、もう少しだよ。我慢できない痛みがあったら言ってねと声をかけてくれます。麻酔はなしで、必ず先生と看護師のペアなんですが、2人とも気を紛らわせるためか、日本のコロナウイルスの状況ってどう？ワクチンいつになるの？など話しかけてきます。

ミレーナ（DIU）装着時に痛みは感じました。ちょっとだけ声が出るぐらいの痛みで、麻酔はなしでした。処置にかかった時間は一度エコーを見たりで15分ぐらいに感じました。
処置後しっかり装着しているかもう一度エコーで確認をして、ほらここよって教えてくれるのですが…正直わかりませんでした（笑）。「全く見えないけど、先生信じてるから！」って言ったら担当産婦人科医は笑っていましたけれども。

エコー後に、めまいがする人もいるから診察台でゆっくりしてもいいよと言われましたが、私は処置後痛みが少しずつ薄れて行ったので、待たずに下着と洋服をつけました。装着時は出血がありましたがすぐに止まり、準備した生理用ナプキンは必要なし。

診察台のある奥の部屋から先生と看護師の待つ部屋へ移動し、「もう痛くありません」と伝えると、「Has sido muy valiente」（あなたはとても勇敢だった）と言われました。この勇敢っていうのは、我慢強い、文句言わない、痛みに強い…なども含まれると思います。
「でもまぁ我慢できる痛みだし、もっとひどい痛みってありますよね？」と答えると、「No sabes como son las españolas」（あなたはスペイン人女性がどんなだか知らないから…）と会話中に3回も言われました。スペイン人女性は相当騒いだりパニックになったりと容易に想像できます。もちろん日本人の私がスペイン人の先生や看護師さんに「あぁわかります」とは言わないですけれども。
こんな感じでちょっと雑談しつつ先生が今日の診断・処置についての報告をざっとPCに打ち込んでいきます。ミレーナ（DIU）装着後は、3か月後に一度検診、そしてその後は毎年の検診です。

ミレーナ（DIU）とピルはどちらが安い？

私の保険ではミレーナ（DIU）の代金がカバーされないので、300ユーロの支払いでした。
一瞬高いと思われますが、私が使用していたピルは1か月約13ユーロなので、2年で元が取れます。これなら40歳になったらすぐにピルからミレーナ（DIU）に変更すればよかったなとちょっと後悔！

ミレーナ（DIU）を装着後の様子

私は装着後にあっさり痛みが引いたので、病院からてくてく歩いて帰宅しました。でも2キロ程度の距離なのに、家に近づいて来ると段々足取りが重くなり...帰宅後後に少し下腹部に痛みが出てきて出血するかもと思い、用心にナプキンを付けました。
帰宅後は夕食をとり、ソファでゴロゴロし、痛くなったらイブプロフェンをと言われたので一錠のみ就寝。翌朝目が覚めたら痛みはすっかり消えていました。生理がいつ始まるか不明なのともしかしたら出血するかもと思い、しばらくナプキンを付けたままにする事に。生理はいつもより1日遅れでスタートしました。

ミレーナ（DIU）に変更して良かった事

まだDIU歴は短いのですが、大満足です。個人差はあると思いますが、私はすぐに効果を感じることが出来ました。

出血量が減った

まだDIU歴1か月も経っていませんが、大満足です。なぜなら生理の出血量がすごく減ったから。もともと出血量は多くなく、生理痛などに悩まされることもない恵まれた体ですが、それでも劇的に出血量が減りました。
出血が増えた人、しばらくして生理時の出血がなくなった人、不正出血が半年以上続く人とかなり個人差があるみたいですが、こんなに出血量が一気に減ったのを見て、もしかしてラッキーな「生理時の出血がなくなる人」になれるのではないかとすごく期待しています。

ピルに比べて安い

ミレーナ（DIU）は長く使えるので1回の出費は高額だけれど、最終的にはピルより経済的。

ピルの飲み忘れを気にしなくていい

そして一番うれしかったのは、ピルを飲まなくても良いという事。私の中では毎日ピルを飲むことが結構ストレスだったみたいです。ピルは本当に素晴らしくて私のQOLは飲む前に比べると爆上がりしましたが、やっぱり毎日同じ時間に飲むのって意外と大変。
旅行中は時差があれば飲む時間を変えたり、ピルを切らさないように購入したり、誤って落としてしまった場合は新しいピルを買ったり。私は寝る前にピルを飲んでいたんですが、ベッドにはいってまどろむ寸前に「ピル飲んでない！」と気が付いてベッドから這い出す事が何度もあって。もうそんな事しなくていいんだなー。くだらない事ですが、私にはこれが一番の利点でした。見えない小さなストレスが溜まっていたみたいです。
ミレーナ（DIU）装着した翌朝、起きて一番にした事は残っていたピルを捨てるでした。なんか心がスッと軽くなりました。

今のこんな感じでところ良い事しかないミレーナ（DIU）ですが、今後何かトラブルや思う事があったら随時アップしていきます！