「OLマニュアル海外ワーキングガール事情」
Vol.115:スペインに留学したい人を応援する スペイン留学エージェンシー 盛 千夏
去年記事にもしましたが、雑誌「OLマニュアル」に、スペインでの仕事・生活・文化についての記事を寄稿しました。一生に一度の思い出ですし、どのように仕事を見つけたのか、スペインでの生活ってどんな感じ? と気になる方もいると思うので、こちらにその記事を少しずつUPしていきます。
- 海外ワーキングガール事情(1):スペイン第三の都市バレンシアと食べ物
- 海外ワーキングガール事情(2):バルセロナで就職そしてバレンシアへ転職
- 海外ワーキングガール事情(3):自営業とスペインで就職するという事
- 海外ワーキングガール事情(4):日常生活、義家族、仕事の展望
スペイン第三の都市バレンシア
スペインは観光大国で、日本人もとても人気がある観光地の一つだと思います。
ただ私の住むバレンシアは、地中海沿岸の都市でビーチや太陽を求めるヨーロッパ人には有名ですが、スペインリピーターやスペイン通でも無い限り、殆どの日本人は通過してしまう都市です。
バレンシアの名物と言えば、パエリア、タイルや陶器(バレンシア氏から近い陶器の町のマニセス焼きが有名)、オレンジやトマティーナ(トマト投げ祭り)、スペイン一部リーグの有名クラブのバレンシアCFと言ったところでしょうか。
バレンシアの火祭りは、スペイン三大祭りの一つ。町中になんと800体近くの人形が設置されます。中にはアパートの3階に届きそうなぐらい大きなものもありますが、最終日には全て燃やされてしまいます。
観光施設は、世界遺産のラ・ロンハ、キリスト最後の聖杯があるバレンシア大聖堂(カテドラル)、ゴヤやエル・グレコそしてバレンシアを代表する画家ソロージャの絵画を収蔵するバレンシア美術館、ドス・アグアス公爵の邸宅を使用した陶器美術館などが見所です。
ヨーロッパ一の規模と謳われる中央市場は「モデルニスモ」と呼ばれるスペインのアールヌーボー様式で、市場とは思えないような美しい建物です。観光客も多く訪れますが、地元民の胃袋でもあります。マグロ漁獲量が日本についで2位のスペイン、刺身として食べられるマグロも手に入ります。
またバレンシアの旧市街は、色鮮やかなグラフィティやアーティスティックなグラフィティがたくさんあります。不思議と旧市街の古い建物と調和していて、撮影スポットとして人気です。
パエリア=スペイン料理は間違い!?
スペイン料理の代名詞と言えば「パエリア」ですが、実はこれはバレンシアの郷土料理です。パエリアはバレンシア人の誇りであり、強烈なこだわりがあります。バレンシア人はほかの地域で食べるパエリアとバレンシアのパエリアは全く別物であると断言します。
お隣の州カタルーニャでさえ、味、テクスチャー、色味、素材がバレンシアのパエリアとは全く違い、バレンシア在住歴が長い私もパエリア=バレンシアの郷土料理という認識です。
ここバレンシアでパエリアと言えば、うさぎ肉、鶏肉、モロッコインゲン、ガラフォン豆(大きな白い花豆)のパエリアになります。これは「Paella Valenciana(パエージャ・バレンシアナ=バレンシア風パエリア)」と呼ばれ、見た目はとっても地味ですが、一口食べればやみつきになる美味しさです。
日本人がまずパエリアと聞いて思い浮かべる魚介がふんだんに盛り付けられた華やかなパエリアはそれほど一般的ではありませんし、口の悪いバレンシア人に言わせると「観光客向けのパエリア」となります。ちなみに、パエリアは夕食ではなく昼食に食べるものです。
その他、「ブニュエロ」と呼ばれるカボチャの上げ菓子は、火祭り期間によく食べられます。「オルチャタ」と呼ばれる投入にちょっと似た甘い飲み物もバレンシアらしいと言えます。そしてなんとウナギも食べるんですよ。
先日、マドリード出身の友人とバレンシアの食べ物についての話をしたところ、彼の知らない食べ物がたくさんありました。スペインは国土が広く気候もかなり違うので、その土地独特の食べ物や料理があり、スペインの食文化の豊かさを再認識しました。
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